認知症の意思決定支援とは?現場で迷う理由と対応の視点

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現場では、入浴や食事の前に本人へ確認したくても、返答がはっきりせず、介助の流れだけが止まることがあります。こうした場面では、本人尊重を優先するべきか、生活を回すために介助を進めるべきかで判断に迷いやすいです。

聞こうとするほど会話に意識が向き、表情や拒否の反応を見落として、あとで「これでよかったのか」と引っかかることもあります。一方で、言葉以外の反応や生活歴を手がかりにすると、迷いが少し整理しやすくなります。

認知症ケアの意思決定支援は、理想通りに全部をやることが目的ではありません。現場では、全部は無理でも、まず何を見て、どう考えるかを絞るだけでも支えになります。

この記事を読むと分かること

  • 支援が必要な理由
  • 意思を見る視点
  • 家族との考え方
  • 記録の残し方

一つでも当てはまったら、この記事が役に立ちます

  • 返答待ちで止まる
  • 拒否対応で迷う
  • 家族対応で揺れる
  • 前回対応を引きずる
  • 記録が後回し

認知症ケアの意思決定支援とは?本人に全部決めさせることではなく、意思をくみ取って支えることです

介護施設内で、高齢男性が差し出された薬の入ったカップに対して手を上げて拒否の意思を示している様子。認知症による不穏症状や服薬拒否に対し、無理に服用させず安全に配慮しながら対応する介護現場の場面。

現場では、入浴や食事の前に確認しても、返答がはっきりせず、そのまま介助の流れだけが止まることがあります。こうした場面では、本人尊重を優先するべきか、生活を回すために介助を進めるべきかで迷いやすいです。この記事を読むと、認知症ケアの意思決定支援は何を指し、何を手がかりに考えればよいかが整理できます。

現場では、言葉で答えが返らないだけで「もう決められない」と受け取りやすいです。こうした場面では、待つほど焦りが強くなり、つい職員判断に寄りがちです。苦労しやすいのは、聞くことに意識が向きすぎて、表情や拒否の反応を見落とすことです。まずは言葉以外の反応も含めて受け取る視点を持つことが、現実的な出発点になります。

認知症があっても、意思があることを前提に支えます

現場では、反応が乏しい場面ほど「もう本人には決められない」と受け取りやすいです。こうした場面で押さえたいのは、認知症の症状にかかわらず、本人に意思があることを前提に支援するという視点です。

迷いやすいのは、返答の有無だけで判断してしまうことです。

出典元の要点(要約)
厚生労働省

認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf

「認知症の症状にかかわらず、本人には意思があり、意思決定能力を有するということを前提にして、意思決定支援をする。」

日常生活の場面ごとに、本人の意思を確かめていきます

こうした場面では、意思決定支援は大きな話ではなく、日々の生活の中で繰り返し向き合うものです。この項目では、食事や入浴、衣服、排せつなどが支援の対象になることを理解できます。

迷いやすいのは、特別な場面だけが対象だと思ってしまうことです。

出典元の要点(要約)
厚生労働省

認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf

「日常生活の意思決定支援としては、例えば、食事・入浴・衣服の好み、外出、排せつ、整容などの基本的生活習慣や、日常のプログラムへの参加を決める場合などが挙げられるが、これらに限るものではない。」

言葉だけでなく、表情やしぐさも手がかりにします

現場では、言葉でうまく答えられない場面ほど、確認そのものが難しくなります。ここで理解したいのは、表情や身振り手振りの変化も意思表示として受け取ることです。

苦労しやすいのは、会話に意識が向きすぎて非言語の反応を取りこぼすことです。

出典元の要点(要約)
国立長寿医療研究センター

認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版

https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf

「認知症患者は,言語による意思表示が上手くできないことが多く想定されることから,意思決定支援者は,認知症患者の身振り手振り,表情の変化も意思表示として読み取る努力を最大限に行うことが求められる.」

本人をよく知る人の情報を集めて考えます

こうした場面では、その場の反応だけでは迷いが残ることがあります。この項目では、本人をよく知る人から情報を集め、共有することが必要だと分かります。

失敗しやすいのは、目の前の短いやり取りだけで決めようとすることです。

出典元の要点(要約)
厚生労働省

認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf

「本人の意思や好みを理解するためには、まずは本人に聴き取りを行い、必要に応じて、意思決定支援チームで、本人の自宅での日常の様子を確認したり、本人をよく知る人に聞くなどして、本人の情報を集め、共有することが必要である。」

一度で終わらせず、繰り返し確認していきます

現場では、前回うまくいった関わりをそのまま続けたくなることがあります。ここで押さえたいのは、本人の示した意思は変わることがあり、繰り返し確認が必要だという点です。

迷いやすいのは、前回の受け入れを今回も同じように考えてしまうことです。

出典元の要点(要約)
厚生労働省

認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf

「さらに、本人の示した意思は、時間の経過や本人の置かれた状況等により変化することがあるため、本人の意思を繰り返し確認することが必要である。」

認知症ケアの意思決定支援は、本人に全部決めさせることではありません。意思があることを前提に、日常生活の場面で、言葉以外の反応や周囲の情報も手がかりにしながら、繰り返し確認して支えていくことが大切です。


認知症ケアの意思決定支援でよくある事例4つ

現場では、本人に確認したい気持ちはあっても、返答がはっきりせず、そのまま介助の流れだけが止まることがあります。そうした場面が続くほど、本人尊重と日々の介助の間で気持ちが揺れやすくなります。

入浴や食事の前に確認しても、言葉では答えが返らず、表情や体の向きだけが変わる場面があります。こうした場面では、その反応をどう受け取るかで判断が割れやすいです。苦労しやすいのは、会話に意識が向きすぎて、普段の様子や周囲が知っている情報をつなげにくくなることです。まずは、よくある止まり方を整理し、何を手がかりに考えるかを絞ることが現実的です。

入浴前に確認しても、返答がはっきりせず止まる

現場では、入浴前に声をかけても言葉で返事が返らず、そのまま支援が止まることがあります。こうした場面で迷いやすいのは、答えがないことをそのまま意思がないことと受け取りやすい点です。気づきとして大切なのは、言葉以外の反応も手がかりになることです。まずは、表情や身振り手振りの変化も含めて受け取る視点が必要です。

項目内容
状況言語による意思表示がうまくできない場面です。
困りごと確認したくても言葉だけでは受け取りにくいことです。
よくある誤解言葉で言えないと意思表示ができていないと受け取りやすいことです。
押さえるべき視点身振り手振りや表情の変化も意思表示として読み取ることです。
出典元の要点(要約)
国立長寿医療研究センター

認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版

https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf

「認知症患者は,言語による意思表示が上手くできないことが多く想定されることから,意思決定支援者は,認知症患者の身振り手振り,表情の変化も意思表示として読み取る努力を最大限に行うことが求められる.」

拒否が出たときに、どう受け止めるかで揺れる

こうした場面では、介助の途中で拒否が出ると、そのまま尊重するべきか、別の関わりを考えるべきかで迷いやすいです。苦労しやすいのは、支援者の側で「この内容なら支えるべき」と先に決めてしまうことです。ここから見える気づきは、まず本人が表明した意思や選好を確認し、それを尊重することから始まる点です。対応の方向性としては、支援者の判断を先に置かず、本人の示した内容を出発点にします。

項目内容
状況本人の表明した意思や選好の確認が必要な場面です。
困りごと支援者の側で評価して進めたくなりやすいことです。
よくある誤解支援すべきだと判断した場合にだけ支援することが意思決定支援だと受け取りやすいことです。
押さえるべき視点まず本人の表明した意思・選好、確認が難しい場合には推定意思・選好を確認し、それを尊重することです。
出典元の要点(要約)
国立長寿医療研究センター

認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版

https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf

「意思決定支援は,本人の意思(意向・選好あるいは好み)の内容を支援者の視点で評価し,支援すべきだと判断した場合にだけ支援するのではなく,まずは,本人の表明した意思・選好,あるいは,その確認が難しい場合には推定意思・選好を確認し,それを尊重することから始まる.」

本人をよく知る人の情報がないと、本人の好みが見えにくい

現場では、本人の反応がつかみにくいときほど、その場のやり取りだけで決めたくなることがあります。こうした場面で迷いやすいのは、目の前の短いやり取りだけでは、本人の好みや普段の様子が見えにくいことです。うまくいきやすいのは、本人をよく知る人から情報を集めて共有することです。対応の方向性としては、支援する側が本人に聴き取りを行いながら、必要に応じて周囲の情報も合わせて考えます。

項目内容
状況本人の意思や好みを理解したい場面です。
困りごとその場の反応だけでは理解しにくいことです。
よくある誤解短いやり取りだけで十分に理解できると受け取りやすいことです。
押さえるべき視点本人をよく知る人に聞くなどして、情報を集めて共有することです。
出典元の要点(要約)
厚生労働省

認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf

「本人の意思や好みを理解するためには、まずは本人に聴き取りを行い、必要に応じて、意思決定支援チームで、本人の自宅での日常の様子を確認したり、本人をよく知る人に聞くなどして、本人の情報を集め、共有することが必要である。」

前回うまくいった関わりを、そのまま続けてしまう

別の場面では、前回は受け入れがあったため、今回も同じように考えたくなることがあります。迷いが出やすいのは、前の反応をそのまま今の意思として扱いやすい点です。失敗しやすいのは、一度確認した内容を固定してしまうことです。現実的な方向性としては、本人の示した内容は変わることがある前提で、繰り返し確認していきます。

項目内容
状況時間の経過や置かれた状況が変わる場面です。
困りごと前回の内容をそのまま続けやすいことです。
よくある誤解一度確認した意思はその後も同じだと受け取りやすいことです。
押さえるべき視点本人の示した意思は変化することがあるため、繰り返し確認することです。
出典元の要点(要約)
厚生労働省

認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf

「さらに、本人の示した意思は、時間の経過や本人の置かれた状況等により変化することがあるため、本人の意思を繰り返し確認することが必要である。」

よくある事例を整理すると、迷いの中心は「言葉だけで確認しようとすること」と「一度の反応を固定してしまうこと」です。全部を一度に変えようとせず、反応、周囲の情報、繰り返しの確認を押さえることが現場では大切です。

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なぜ認知症ケアの意思決定支援は難しくなりやすいのか?

介護施設の廊下で、若い女性介護職員が両手を軽く広げている様子。状況説明や選択肢提示をしている場面、あるいは「どう対応すべきか」と考えながら周囲に問いかけているイメージ。

現場では、本人に聞いても返答が少なく、前回と今日で反応も違うため、どこまでを意思として受け取るか迷うことがあります。このような状況が起きる背景には、意思の表れ方や、その時々の状態、支援の進め方が関係しています。ここでは、認知症ケアの意思決定支援が難しくなりやすい理由を説明します。

朝は返答が乏しくても、時間を変えると表情が和らぐ場面があります。こうした場面では、「できない」と決めるべきか、「今は難しい」と見るべきかで迷いやすいです。苦労しやすいのは、その場の短いやり取りだけで判断してしまうことです。まずは、言葉だけに寄らず、その時の状態や周囲の情報も合わせて見ることが現実的な方向性になります。

言葉だけでは、本人の意思が見えにくくなるからです

現場では、質問には返事がなくても、表情や視線だけが変わる場面があります。ここで迷いやすいのは、言葉が少ないと意思確認そのものができないと受け取りやすい点です。気づきとして大切なのは、認知症の進行に伴って、受け取る手がかりが言葉だけではなくなることです。まずは、表情や言語・非言語のメッセージも含めて見ていくことが必要です。

項目内容
なぜ起きるのか認知症の進行に伴って、コミュニケーションの効力が言語的なものから非言語的なものへ移るためです。
建前質問して答えを確認する形が分かりやすいです。
現実現在の表情や本人が発する言語・非言語メッセージから得られる情報も重要になります。
そのズレが生む問題言葉だけに頼ると意思を受け取りにくくなることです。
押さえるべき視点言語だけでなく非言語の変化も手がかりにすることです。
出典元の要点(要約)
国立長寿医療研究センター

認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版

https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf

「認知症の進行に伴ってコミュニケーションの効力が,言語的コミュニケーションから非言語的コミュニケーションへ移行する(図7).」

厚生労働省

認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf

「現在の表情や本人が発する言語・非言語メッセージから得られる情報も重要である。」

決める力が、その時々の状態や環境で変わるからです

別の場面では、同じ問いかけでも、時間帯や落ち着き方によって受け止め方が違うことがあります。こうした場面で迷うのは、一度見た反応をそのまま固定しやすい点です。見えてくる気づきは、決める力はいつも同じではないということです。対応の方向性としては、その時々の状態に応じて支える見方が必要です。

項目内容
なぜ起きるのか意思決定能力は認知症の状態だけで決まらず、心身の状態や人的・物的環境によって変化するためです。
建前できるかできないかを一度で見極めたくなります。
現実その時々の意思決定能力の状況に応じた支援が求められます。
そのズレが生む問題一度決めた見方で本人を固定しやすいことです。
押さえるべき視点残っている力に配慮しながら、その時の状況で見ることです。
出典元の要点(要約)
厚生労働省

認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf

「本人のその時々の意思決定能力の状況に応じて支援する。」

厚生労働省

認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf

「意思決定能力は、認知症の状態だけではなく、本人の心身の状態や本人を取り巻く人的・物的環境によって変化するので、より認知症の人が決めることができるように、残存能力への配慮が必要となる。」

本人をよく知る情報がないと、意思や好みをつかみにくいからです

現場では、その場のやり取りだけでは、本人が何を好み、どんな流れなら受け入れやすいかが見えにくいことがあります。迷いやすいのは、目の前の短いやり取りだけで十分だと考えやすい点です。気づきとして大切なのは、本人を理解するには周囲が持つ情報も必要だということです。まずは、生活史や日常の様子を含めて情報を集める方向で考えます。

項目内容
なぜ起きるのか本人の意思や好みを理解するには、本人への聴き取りに加え、本人をよく知る人からの情報も必要だからです。
建前その場で本人に確認できれば十分だと思いやすいです。
現実自宅での日常の様子や、本人をよく知る人から得られる情報を集めて共有することが必要になります。
そのズレが生む問題本人の意思や好みの理解が浅くなりやすいことです。
押さえるべき視点本人の情報を集めて共有することです。
出典元の要点(要約)
厚生労働省

認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf

「本人の意思や好みを理解するためには、まずは本人に聴き取りを行い、必要に応じて、意思決定支援チームで、本人の自宅での日常の様子を確認したり、本人をよく知る人に聞くなどして、本人の情報を集め、共有することが必要である。」

厚生労働省

認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf

「意思決定支援者は、本人のこれまでの生活史について家族関係も含めて理解することが必要である。」

一人の関わりだけではなく、共有と記録が必要になるからです

こうした場面では、ある職員は受け止められても、次の場面では別の受け止め方になることがあります。迷いやすいのは、その場で何とかした内容が次につながらない点です。見えてくる気づきは、意思決定支援は一人の感覚だけで完結しにくいことです。対応の方向性としては、話し合った内容を共有し、文書として残していきます。

項目内容
なぜ起きるのか意思決定支援では情報を共有した上で、多職種の視点を尊重しながら進め、その内容を文書として残すことが必要だからです。
建前その場の担当者が判断して終えたくなります。
現実話し合いと記録が求められます。
そのズレが生む問題前の判断や支え方が共有されにくいことです。
押さえるべき視点話し合った内容をその都度残すことです。
出典元の要点(要約)
厚生労働省

認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf

「意思決定支援会議の開催は、意思決定支援チームのだれからでも提案できるようにし、会議では、情報を共有した上で、多職種のそれぞれの視点を尊重し、根拠を明確にしながら進めていくことが必要である。その際の話し合った内容は、その都度文書として残すことが必要である。」

厚生労働省

認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf

「本人のその後の生活に影響を与えるような意思決定支援を行った場合には、その都度、記録を残しておくことが必要である。」

理由を整理すると、難しさは「言葉だけでは受け取りきれないこと」「状態や環境で変わること」「情報と共有が欠かせないこと」にあります。全部を変えようとせず、その時の反応、周囲の情報、記録の3点を押さえることが現場では大切です。

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認知症ケアの意思決定支援で迷いやすいFAQ

現場では、確認しても返答が少なく、「ここでどう考えればよいのか」と止まることがあります。本人尊重を意識するほど、どこまでを意思として受け取るかで迷いやすいです。ここでは、現場で判断に迷いやすい点をFAQで整理します。

Q
認知症がある人でも、意思決定支援は必要ですか?
A
必要です。認知症の症状にかかわらず、本人に意思があり、意思決定能力を有することを前提にして支援します。迷いやすいのは、反応が乏しいと、その前提自体を外してしまいやすい場面です。
出典元の要点(要約)
厚生労働省

認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf

「認知症の症状にかかわらず、本人には意思があり、意思決定能力を有するということを前提にして、意思決定支援をする。」

Q
言葉でうまく答えられないときは、何を手がかりにしますか?
A
身振り手振りや表情の変化を意思表示として読み取ることが求められます。迷いやすいのは、会話だけで確認しようとして、非言語の反応を後回しにしやすい場面です。
出典元の要点(要約)
国立長寿医療研究センター

認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版

https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf

「認知症患者は,言語による意思表示が上手くできないことが多く想定されることから,意思決定支援者は,認知症患者の身振り手振り,表情の変化も意思表示として読み取る努力を最大限に行うことが求められる.」

Q
家族の話を聞けば、本人の意思を理解したことになりますか?
A
本人への聴き取りに加えて、本人をよく知る人に聞くなどして情報を集め、共有することが必要です。迷いやすいのは、その場で得られた一つの情報だけで判断したくなる場面です。
出典元の要点(要約)
厚生労働省

認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf

「本人の意思や好みを理解するためには、まずは本人に聴き取りを行い、必要に応じて、意思決定支援チームで、本人の自宅での日常の様子を確認したり、本人をよく知る人に聞くなどして、本人の情報を集め、共有することが必要である。」

Q
一度確認した本人の意思は、そのまま続けてよいですか?
A
そのまま固定せず、繰り返し確認することが必要です。本人の示した意思は、時間の経過や置かれた状況によって変化することがあります。迷いやすいのは、前回うまくいった関わりを今回も同じように考えやすい場面です。
出典元の要点(要約)
厚生労働省

認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf

「さらに、本人の示した意思は、時間の経過や本人の置かれた状況等により変化することがあるため、本人の意思を繰り返し確認することが必要である。」

Q
話し合った内容は、その場の申し送りだけで足りますか?
A
本人のその後の生活に影響を与えるような意思決定支援では、その都度、記録を残しておくことが必要です。迷いやすいのは、その場で共有できたから十分だと受け取りやすい場面です。
出典元の要点(要約)
厚生労働省

認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第 2 版)

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001484891.pdf

「本人のその後の生活に影響を与えるような意思決定支援を行った場合には、その都度、記録を残しておくことが必要である。」

FAQで押さえたいのは、認知症があっても意思がある前提を外さないことです。言葉だけに頼らず、周囲の情報も集めながら、変化を見て繰り返し確認し、必要な内容は記録に残すことが大切です。


認知症ケアの意思決定支援で明日から意識したい一歩

現場では、返答が少ないだけで介助が止まり、「このまま待つべきか、進めるべきか」と迷うことがあります。建前ではわかっていても、毎回ていねいに確認するのは難しいです。

そんなときの最初の一歩は、本人の反応を一呼吸待つことです。言葉だけで答えが返らなくても、表情や動きに目を向けるだけで、見え方が少し変わることがあります。「急がないと回らない」と感じやすい場面ほど、この一歩に絞るほうが続けやすいです。

最後までご覧いただきありがとうございます。

出典元の要点(要約)
国立長寿医療研究センター

認知症・せん妄ケアマニュアル 第 2 版

https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/nintishomanual2025.pdf

「本人の反応を一呼吸待ち,本人が何を行いたいか,本人の意思を読み取ることが大切である.」


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更新履歴

  • 2026年1月30日:新規投稿
  • 2026年4月20日:内容を全面的にリライト

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