【食事介助】食形態の変更が怖いとき:観察評価表とフローチャートで整理する

食事介助でむせが気になっても、忙しくて観察は断片的になりがちです。申し送り記録が「むせた」だけだと、次の人が迷い、対応が揺れます。

本当は利用者に合わせたいのに、時間がなく判断が食形態の“勘”寄りに。全部は無理でも、見る点と言葉を揃えるだけで、話が進みやすくなります。話し合いの迷子を少し減らせます。

この記事を読むと分かること

  • 観察項目を統一
  • 記録の型が分かる
  • 申し送りが揃う
  • 迷った時の手順
  • カンファが進む

一つでも当てはまったら、この記事が役に立ちます

  • 申し送りが曖昧
  • 記録が単語だけ
  • 食形態変更が怖い
  • 観察点が人で違う
  • カンファが進まない

結論:食形態の迷いを減らす「観察評価表」の使いどころ

女性の介護職員の画像

現場では、「むせがあったから一段下げたい」と思う一方で、「このままだと食上げが進まず、食事の楽しみも削ってしまう」と葛藤が起きがちです。判断が人によって揺れると、申し送りも噛み合わず、「結局、誰の基準なのか」が曖昧になりやすいです。

だからこそ、忙しい日でも使える共通の物差しとして、見る項目と記録の言葉を揃えるところから始めるのが現実的です。

観察の物差しを揃えて、食形態の変更を判断しやすくする

食形態の判断を感覚に寄せすぎると、同じ場面でも人によって優先する情報言葉が変わりやすくなります。まずは「何を観察して、どう記録するか」をチームで揃えることが重要です。

  • 観察評価表の項目に沿って、観察した事実を同じ順序・同じ言葉で残す
  • 判定フローチャートで「次に取る手順」を共有し、迷った時の動きを揃えやすくする

国立国際医療研究センターの報告では、施設介護職が情報を共有しやすいように「手引き」「観察評価表」「判定フローチャート(案)」が作成されています。現場でもツールを軸にして観察記録を揃えることで、申し送りの前提を合わせやすくなります。

出典元の要点(要約)

国立国際医療研究センター

嚥下造影および嚥下内視鏡を用いない食形態判定のためのガイドラインの開発 令和元年度 総括・分担研究報告書

https://www.hosp.jihs.go.jp/s027/100/R1_Report.pdf

本研究班は、嚥下造影や嚥下内視鏡を用いない環境で食形態を判断するため、摂食観察評価の手引き、観察評価表、フローチャートを作成した。

厚生労働省

高齢者の口腔と摂食嚥下の機能維持・向上のための取組に関する調査

https://www.mhlw.go.jp/iken/after-service-vol25/dl/after-service-vol25_houkoku.pdf

摂食嚥下の観察評価は、「飲み込みチェックシート」「摂食嚥下観察評価表」「摂食嚥下の評価報告書」の3つを用いて行うとされている。

むせだけ」で決めないための観察ポイントを持つ

観察評価表は、項目ごとに「どこをどう見るか」が揃えられます。たとえば声質呼吸など、確認の仕方まで合わせることで、判断のブレを減らします。

見るところ現場での見方(注釈)
声質の変化湿性嗄声(声が湿った感じ)の有無を確認
呼吸観察嚥下後に、呼吸が速く浅くなっていないか確認
出典元の要点(要約)

国立国際医療研究センター

嚥下造影および嚥下内視鏡を用いない食形態判定のためのガイドラインの開発 令和元年度 総括・分担研究報告書

https://www.hosp.jihs.go.jp/s027/100/R1_Report.pdf

観察評価表の各項目の観察ポイントには、対応する解説動画(別添DVDに収録)の参照指示が記載されている。例えば、「声質の変化」では飲み込み前後に声を出して湿性嗄声を確認すること、「呼吸観察」では嚥下後に上胸部から肩のあたりの動きで呼吸が速く浅くなっていないか確認することなどが解説されている。

国立国際医療研究センター

嚥下造影および嚥下内視鏡を用いない食形態判定のためのガイドラインの開発 令和元年度 総括・分担研究報告書

https://www.hosp.jihs.go.jp/s027/100/R1_Report.pdf

付録3として「別添 DVD」があり、その内容は「摂食嚥下機能 見きわめのポイント 観察評価の技術向上のためのトレーニング動画」となっている。制作は厚生労働科学研究費補助金長寿科学政策研究事業「嚥下造影および嚥下内視鏡を用いない食形態判定のためのガイドラインの開発」研究班である。

観察の限界も前提にして、迷いを抱え込まない

観察で「異常なし」と判断されても、見えない誤嚥が一定数あることが示されています。迷いが残るときに「現場だけで抱える」のではなく、次の手段を検討する流れを、最初からチームの共通理解にします。

  • 観察で判断がつかない場合はVF・VE(検査)も検討
  • 見落としの可能性を前提に、記録と共有を厚くする
出典元の要点(要約)

国立国際医療研究センター

嚥下造影および嚥下内視鏡を用いない食形態判定のためのガイドラインの開発 令和元年度 総括・分担研究報告書

https://www.hosp.jihs.go.jp/s027/100/R1_Report.pdf

食形態の観察評価では、評価が異常なしであっても約1割に誤嚥がある可能性が示され、さらに不適切に食形態を上げた場合には6%に喉頭侵入・誤嚥のリスクが示された。フローチャートでは観察評価だけでは判断が難しい場合にVF・VEを行うことが推奨されている。

様式があるほど、多職種で同じ方向を向きやすい

観察の結果を「口頭」だけで渡すと、伝わる情報が薄くなります。同じ様式のチェックシートと報告書を使うことで、職種が違っても同じ材料で話せます。専門職の助言が入ると、現場の自信リスク管理にもつながります。

  • チェックシートで事実を揃える
  • 評価報告書で注意点と支援を共有する
出典元の要点(要約)

厚生労働省

高齢者の口腔と摂食嚥下の機能維持・向上のための取組に関する調査

https://www.mhlw.go.jp/iken/after-service-vol25/dl/after-service-vol25_houkoku.pdf

摂食嚥下の評価に関して、チェックシートを「同じ様式」にすることで、多職種間の情報共有をしやすくする工夫が示されている。

厚生労働省

高齢者の口腔と摂食嚥下の機能維持・向上のための取組に関する調査

https://www.mhlw.go.jp/iken/after-service-vol25/dl/after-service-vol25_houkoku.pdf

摂食嚥下の評価報告書は、食事観察での留意点、必要な摂食嚥下指導の内容、食形態の調整などの情報を記載し、訪問看護師や介護スタッフなどに情報共有することを目的とする。

厚生労働省

高齢者の口腔と摂食嚥下の機能維持・向上のための取組に関する調査

https://www.mhlw.go.jp/iken/after-service-vol25/dl/after-service-vol25_houkoku.pdf

介護スタッフは、専門職からの助言を受けることで自信がつき、リスク管理の意識が高まるとされている。

観察評価表で見る項目と記録を揃え、解説動画で観察ポイントのブレを減らす。迷いが残る場合はVF・VEも含めて検討し、様式で多職種共有を強くする。

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よくある事例:食事観察と食形態の判断が揃わない場面

入居者と女性介護職員

現場では、食事介助の合間に記録申し送りまで回らず、「結局、何をどこまで伝えればいいのか」が曖昧なまま次の勤務に引き継がれることがあります。

本当は丁寧に見たいのに、時間の制約で観察が一部に偏ったり、判断の根拠が言葉にできず属人化したりして、カンファレンスが進みにくくなる場面も出てきます。

観察が「むせ中心」になり、情報が欠ける

状況むせの有無だけが目立ち、他の観察が記録に残りにくい。
困りごと申し送りが短くなり、次の対応が揃いにくい。
よくある誤解むせさえ見れば足りる」と考えてしまう。
押さえるべき視点呼吸口腔食事場面の3つで観察を整理して残す。

観察を「どこを見たか」で揃えると、伝達の粒度が安定します。まずは呼吸観察口腔構造・機能観察食事観察の3つに分け、欠けている情報がないかを確認しながら記録する形に寄せます。

出典元の要点(要約)

国立国際医療研究センター

嚥下造影および嚥下内視鏡を用いない食形態判定のためのガイドラインの開発 令和元年度 総括・分担研究報告書

https://www.hosp.jihs.go.jp/s027/100/R1_Report.pdf

摂食嚥下の観察評価は、呼吸観察、口腔構造・機能観察、食事観察の3つを用いて行うことを前提としている。

観察評価表がないため、申し送りの言葉が揺れる

状況同じ利用者でも、職員によって「見たこと」の表現が変わる。
困りごと記録が比較しにくく、変化が拾いにくい。
よくある誤解「文章で丁寧に書けば伝わる」と考えてしまう。
押さえるべき視点観察評価表の項目に沿って、同じ枠で残す。

観察評価表のように項目が決まっていると、「どの視点で見たか」が揃います。特に、複数の項目を0/1で選ぶ形式は、短時間でも同じ粒度で残しやすく、申し送りのズレを減らす軸になります。

出典元の要点(要約)

国立国際医療研究センター

嚥下造影および嚥下内視鏡を用いない食形態判定のためのガイドラインの開発 令和元年度 総括・分担研究報告書

https://www.hosp.jihs.go.jp/s027/100/R1_Report.pdf

観察評価表の評価項目として、口角の左右非対称な運動(ない・ある)、嚥下(飲み込み)(遅延するが可能・可能)、むせ(むせる・むせない)、頸部聴診(異常音あり・異常音なし)などが挙げられており、それぞれ0または1のスコアを選択する形式となっている。

食形態を上げ下げする話が出ると、判断が止まる

状況観察は「異常なし」に見えるが、現場の不安が残る。
困りごと食形態の調整が進まず、結論が先送りになる。
よくある誤解「異常なし=問題なし」と受け取りたくなる。
押さえるべき視点迷う時は判定フローチャートで次の手順へつなぐ。

観察に基づく判定は重要ですが、判断に迷う場面では「次に何をするか」をチームで揃える必要があります。判定フローチャートを用意しておくと、嚥下造影検査(VF)嚥下内視鏡検査(VE)(必要時の検査)へつなぐ判断の道筋を共有しやすくなります。

出典元の要点(要約)

国立国際医療研究センター

嚥下造影および嚥下内視鏡を用いない食形態判定のためのガイドラインの開発 令和元年度 総括・分担研究報告書

https://www.hosp.jihs.go.jp/s027/100/R1_Report.pdf

施設利用者の食形態判定は観察評価を基に行うが、評価が異常なしでも約1割が誤嚥している可能性があり、嚥下造影検査(VF)や嚥下内視鏡検査(VE)を行うことが望ましい。さらに、不顕性誤嚥はレントゲン透視で約6%見逃される可能性がある。

多職種で話すはずが、材料が揃わず進まない

状況介護職看護職栄養で見ている点が揃わない。
困りごと情報共有が断片的になり、対応がブレやすい。
よくある誤解「口頭で伝えれば大丈夫」と考えてしまう。
押さえるべき視点同一様式で揃え、共有できる形にする。

同一様式のチェックシートなど「同じ目盛り」で揃えると、職種が違っても話が噛み合いやすくなります。必要に応じて評価報告書の形で結果を戻す流れまで想定しておくと、現場の食事介助に落とし込みやすくなります。

出典元の要点(要約)

厚生労働省

高齢者の口腔と摂食嚥下の機能維持・向上のための取組に関する調査

https://www.mhlw.go.jp/iken/after-service-vol25/dl/after-service-vol25_houkoku.pdf

複数の関係機関が同一様式で等しい目盛りの物差しとなるチェックシートを使用することで情報を共有し円滑な連携を目指すとともに、介護者などに適切な評価(アセスメント)方法を示し早期発見につなげる狙いがあります。

厚生労働省

高齢者の口腔と摂食嚥下の機能維持・向上のための取組に関する調査

https://www.mhlw.go.jp/iken/after-service-vol25/dl/after-service-vol25_houkoku.pdf

摂食嚥下機能が低下した高齢者を専門医療機関へつなぐため、区民向けの「ごっくんチェック表」に加え、支援者向けとして「飲み込みチェックシート」「摂食嚥下観察評価表」「摂食嚥下評価報告書」という3つの連携ツールが作成されました。

厚生労働省

高齢者の口腔と摂食嚥下の機能維持・向上のための取組に関する調査

https://www.mhlw.go.jp/iken/after-service-vol25/dl/after-service-vol25_houkoku.pdf

在宅療養者を紹介された専門医療機関は、口腔と摂食嚥下の機能を評価した上で「摂食嚥下評価報告書」を使用して結果を報告し、必要に応じて適切な摂食嚥下リハビリテーションや口腔ケアのできる医療機関と連携を取ります。

厚生労働省

高齢者の口腔と摂食嚥下の機能維持・向上のための取組に関する調査

https://www.mhlw.go.jp/iken/after-service-vol25/dl/after-service-vol25_houkoku.pdf

介護スタッフは、専門職からの助言を受けることで、誤嚥性肺炎のリスク管理に対する意識が高まり、日々の食事介助や口腔ケアに自信を持って取り組めるようになっています。

観察は「呼吸口腔食事場面」の枠で揃え、観察評価表で残すと情報が比較しやすくなります。迷う場面は判定フローチャートで次の手順を共有し、同一様式多職種連携につなげることが要点です。


食形態の判断が揺れやすい理由

食事の画像

現場では食事介助のあとに記録を書こうとしても、呼び出しや次のケアで手が止まりやすいです。申し送りは短時間で、「むせあり」など言葉が粗いまま流れてしまう場面もあります。

それでも食形態の上げ下げは怖く、判断を先送りにしがちになります。この章では、なぜ属人化が起きやすいのかを整理します。

  • 観察が中心になりやすい背景
  • むせだけでは揃わない理由
  • 食形態で揺れるポイント

検査のフィードバックが得にくいと、観察が自己流になりやすい

VFVE嚥下造影検査嚥下内視鏡検査)で検査結果を確認できない環境では、判断材料が食事観察に寄りやすくなります。

そのため、「何を見て、どう記録するか」が揃っていないと、職種間判断の前提がずれやすくなります。

出典元の要点(要約)

国立国際医療研究センター

嚥下造影および嚥下内視鏡を用いない食形態判定のためのガイドラインの開発 令和元年度 総括・分担研究報告書

https://www.hosp.jihs.go.jp/s027/100/R1_Report.pdf

本研究の目的は、嚥下造影や嚥下内視鏡を行いフィードバックを受けることが難しい環境で働く医療・介護関係者を想定し、…回作成した摂食観察評価の難易度や再現性を確認することである。これにより、よりよい評価方法の説明や普及方法に資することを目指した。

国立国際医療研究センター

嚥下造影および嚥下内視鏡を用いない食形態判定のためのガイドラインの開発 令和元年度 総括・分担研究報告書

https://www.hosp.jihs.go.jp/s027/100/R1_Report.pdf

観察評価表の各項目の観察ポイントには、対応する解説動画(別添DVDに収録)の参照指示が記載されている。例えば、「…確認すること、「呼吸観察」では嚥下後に上胸部から肩のあたりの動きで呼吸が速く浅くなっていないか確認することなどが解説されている。

むせ誤嚥は一致しにくく、観察だけでは不安が残る

観察のむせと検査の誤嚥は一致が高くないとされ、補助項目を足しても取りこぼしが残ります。だから「むせだけ」で結論を急がず、見た事実を残して次の判断につなげる必要があります。

出典元の要点(要約)

国立国際医療研究センター

嚥下造影および嚥下内視鏡を用いない食形態判定のためのガイドラインの開発 令和元年度 総括・分担研究報告書

https://www.hosp.jihs.go.jp/s027/100/R1_Report.pdf

観察評価でのむせと検査での誤嚥の一致率は高くなく、補助項目を加えても1割の誤嚥が捕捉できなかった。観察でのむせを…応して慎重になりすぎず、再評価やトライアルなどのリスク管理方法を併用して食上げに取り組むことがQOL向上に寄与すると示唆された。

国立国際医療研究センター

嚥下造影および嚥下内視鏡を用いない食形態判定のためのガイドラインの開発 令和元年度 総括・分担研究報告書

https://www.hosp.jihs.go.jp/s027/100/R1_Report.pdf

むせが見られない場合に「頸部聴診」「声質の変化」「呼吸観察」を行うことで誤嚥の検出精度が上がることが確認されたが、これらがない場…予測する式を作成したところ、「口角の左右非対称な運動」と「むせ」が係数の高い項目として抽出され、正解の割合は87.5%であった。

食形態で判定が揺れ、同一様式がないと連携が切れる

同じ利用者でも、食形態によって観察と検査の一致が揺れやすいと整理されています。口頭の申し送りだけでは材料が欠けやすいため、同一様式のチェックシートで情報を揃え、必要時は専門職の助言も含めて共有します。

出典元の要点(要約)

国立国際医療研究センター

嚥下造影および嚥下内視鏡を用いない食形態判定のためのガイドラインの開発 令和元年度 総括・分担研究報告書

https://www.hosp.jihs.go.jp/s027/100/R1_Report.pdf

作成した観察評価表案を用いて、研究協力機関18施設から185名のデータを収集する前向き多施設観察研究を実施した。同じ食形態で観察…にゼリー状の食品では一致率が高かったが、水ととろみ水では不一致率が高く、常食等では観察評価の方が慎重な判断となる傾向が見られた。

厚生労働省

高齢者の口腔と摂食嚥下の機能維持・向上のための取組に関する調査

https://www.mhlw.go.jp/iken/after-service-vol25/dl/after-service-vol25_houkoku.pdf

摂食嚥下機能が低下した高齢者を専門医療機関へつなぐため、区民向けの「ごっくんチェック表」に加え、支援者向けとして「飲み込みチェックシート」「摂食嚥下観察評価表」「摂食嚥下評価報告書」という3つの連携ツールが作成されました。

厚生労働省

高齢者の口腔と摂食嚥下の機能維持・向上のための取組に関する調査

https://www.mhlw.go.jp/iken/after-service-vol25/dl/after-service-vol25_houkoku.pdf

複数の関係機関が同一様式で等しい目盛りの物差しとなるチェックシートを使用することで情報を共有し円滑な連携を目指すとともに、介護者などに適切な評価(アセスメント)方法を示し早期発見につなげる狙いがあります。

厚生労働省

高齢者の口腔と摂食嚥下の機能維持・向上のための取組に関する調査

https://www.mhlw.go.jp/iken/after-service-vol25/dl/after-service-vol25_houkoku.pdf

介護スタッフは、専門職からの助言を受けることで、誤嚥性肺炎のリスク管理に対する意識が高まり、日々の食事介助や口腔ケアに自信を持って取り組めるようになっています。

観察中心になりやすい環境では、むせだけでは判断が揺れます。食形態で不一致も起きるため、同一様式で事実を揃え、必要に応じて助言につなげる土台が重要です。

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FAQ:食事観察と食形態の判断

現場では、むせの有無だけで申し送りが終わってしまい、判断が割れることがあります。
ここでは、よくある迷いを根拠とセットで整理します。

Q
むせが出たら、すぐ食形態を下げるべきですか?
A
むせと検査での誤嚥は一致しないことがあるため、むせだけで判断を固定しない整理が示されています。 むせを重要視しすぎると経口摂取の機会が減る可能性があるため、リスクマネジメントを行いながら、必要に応じて食形態アップも含めて考える視点が示されています。
出典元の要点(要約)
国立国際医療研究センター

嚥下造影および嚥下内視鏡を用いない食形態判定のためのガイドラインの開発 令和元年度 総括・分担研究報告書

https://www.hosp.jihs.go.jp/s027/100/R1_Report.pdf

観察評価でのむせと検査での誤嚥の一致率は高くなく、特に水ととろみ水では不一致率が高かった。むせを重要視しすぎると経口摂取の機会が減る可能性があるため、臨床的なリスクマネジメントを行いながら積極的に食形態アップを考えていく必要が示された。

Q
同じ観察評価表を使っても、スタッフで判断が割れるのはなぜですか?
A
観察評価表を用いた判定でも、評価者間の一致性が高くないことが示されています。 一方で、反復してトレーニングを行うことで再現性が改善する可能性が示唆されており、共通ツールと学び方をセットで整える整理ができます。
出典元の要点(要約)
国立国際医療研究センター

嚥下造影および嚥下内視鏡を用いない食形態判定のためのガイドラインの開発 令和元年度 総括・分担研究報告書

https://www.hosp.jihs.go.jp/s027/100/R1_Report.pdf

観察評価表を用いた食形態判定における評価者間一致性は高くなく、全体として重み付きカッパ係数は0.14と低かった。評価者の経験年数などによる差も考えられるが、反復してトレーニングを行うことで再現性が改善する可能性も示唆された。

国立国際医療研究センター

嚥下造影および嚥下内視鏡を用いない食形態判定のためのガイドラインの開発 令和元年度 総括・分担研究報告書

https://www.hosp.jihs.go.jp/s027/100/R1_Report.pdf

本研究班は、嚥下造影や嚥下内視鏡を用いない環境で食形態を判断するため、摂食観察評価の手引き、観察評価表、フローチャートを作成した。さらに、観察評価表の各項目について観察ポイントを説明するトレーニングビデオも作成し、現場での普及に向けたツール整備を行った。

Q
申し送りを揃えるには、どんな観察項目を記録しておくとよいですか?
A
食事の様子姿勢口腔内の状態などを観察・評価し、対応方法を検討するための詳細項目が設けられたシートが示されています。 また、評価結果や食事形態とろみの必要性、食後の姿勢保持などを記載して多職種で共有する様式が示されています。
出典元の要点(要約)
厚生労働省

高齢者の口腔と摂食嚥下の機能維持・向上のための取組に関する調査

https://www.mhlw.go.jp/iken/after-service-vol25/dl/after-service-vol25_houkoku.pdf

支援者用の「飲み込みチェックシート(摂食嚥下観察評価表)」では、食事の様子や姿勢、口腔内の状態などを観察・評価し、対応方法を検討するための詳細な項目が設けられています。

厚生労働省

高齢者の口腔と摂食嚥下の機能維持・向上のための取組に関する調査

https://www.mhlw.go.jp/iken/after-service-vol25/dl/after-service-vol25_houkoku.pdf

「摂食嚥下評価報告書」は、歯科医師が嚥下機能評価の結果や、食事形態、とろみの必要性、食後の姿勢保持などの指導内容を記載し、多職種間で情報を共有するための様式です。

FAQは、むせだけで判断を固定しないこと、共通ツールトレーニングでばらつきを減らすこと、観察項目を揃えて共有することを、根拠とセットで整理するための章です。


まとめ:観察と記録を揃えると、食形態の迷いが整理しやすくなります

食形態の変更が怖いと感じる場面では、食事観察記録次の手順の考え方が揃っていないと、判断が揺れやすくなります。

この記事では、観察評価表フローチャートを軸に、申し送り記録の迷いを整理する考え方を紹介しました。

  • 観察評価表で、見る項目と言葉を揃えます
  • 迷いが残るときはフローチャートで次の手順につなげます
  • 同一様式のシートで、多職種情報共有をしやすくします

VF(嚥下造影検査)やVE(嚥下内視鏡検査)は、観察だけでは判断が難しい場合に検討する流れが示されています。

「現場だけで抱え込まない」ためにも、判断の道筋を先に共有しておくと安心材料になります。

明日からの一歩

  • 観察評価表解説動画(参照指示)をチームで確認し、観察ポイントの捉え方を揃えやすくします。
  • むせ」だけで判断に迷うときは、評価表の観察ポイントに立ち返り、記録の前提を整理します。

最後までご覧いただきありがとうございます。この記事がお役に立てれば幸いです。


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更新履歴

  • 2026年1月24日:新規投稿

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